不動産売却時の節税方法について

こんにちは!

こうのとりです。

 

コロナウィルスの影響で、緊急事態宣言が出されました。

経済への悪影響からリーマンショックやブラックマンデーと比較されますが、

それよりもスペイン風邪の再来かもしれません。

ともすれば100年に一度の出来事です。

当時は医療がそこまで発達していなかったので、

日本での死者も38万人にのぼったそうです。

人の流れが止まると、お金の流れが止まります。

しかし、今は辛抱でしょうね。

自分のせいで誰かの大切な人をあやめるわけにはいかないのです。

 

さて、3月下旬に某インターネットショッピングサイトで、「マスク」を買いました。

30枚で1,680円なので、1枚55円ですか。

まぁこのご時世で妥当かなぁと思い。

届いたら中国製でした。しかも簡素な袋に入って。

これは現地で作ったものを高く売ってるだけでしょうけど、

マスクを買い占める転売屋だけはちょっと許せないですよね~いかがなものか、です。

 

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【一応使えそうなマスク】

 

さて、今回ご紹介する案件のお客様は城之内様(仮称:40才)です。

城之内様はお父様からの遺産のうちの1つであるご実家(不動産)の処分について頭を悩ませておりました。

相続をしたものの、遠方のため使い道が無く、管理もままならないどころか、このままだと、ただただ毎年固定資産税を支払うことになりそうだというのです。

そこで、不動産の売却を検討しているが、売却時に税金がどれくらいかかるのか、あらかじめ知っておきたいということでした。

 

確かに不動産を売却する際には、様々な税金がかかります。

ただし、実際には必ずかかる税金と、状況に応じてかからない税金とに分けることができます。

 

必ずかかる税金

印紙税、登録免許税

状況に応じてかからない税金

譲渡所得税、住民税(+復興特別所得税)

 

それぞれの税金について、解説していきましょう。

1、印紙税

不動産売買契約書に貼りつける収入印紙です。

契約金額によって、貼りつけなければならない印紙の金額は異なります。

なお、平成26年4月1日から令和4年3月31日までの間に作成される不動産の譲渡に関する契約書については、軽減措置が適用されています。

不動産の売買としてメジャーである価格帯の印紙税は以下のとおりです。

500万円超~1,000万以下・・・5,000円(本来10,000円)

1,000万円超~5,000万以下・・・10,000円(本来20,000円)

5,000万円超~1億円以下・・・30,000円(本来60,000円)

 

2、登録免許税

いわゆる登記のための代金です。

なお、不動産売買に関わる登記は主に3種類です。

抵当権抹消登記は住宅ローンが残っている場合、住所変更登記は売主の現在の住所や氏名が登記簿上の住所と異なる場合などに必要です。

抵当権抹消登記(売主)不動産の数×1,000円(+司法書士への報酬)

住所変更登記(売主)不動産の数×1,000円(+司法書士への報酬)

所有権移転登記(買主負担のため割愛)

 

3、譲渡所得税および住民税(+復興特別所得税)

不動産の売買金額に固定資産税などの清算金を加算した金額(譲渡収入金額)から、不動産の取得費および譲渡にかかった費用を差し引いた残りの金額に対して課税される国税です。

 

なお、城之内様のケースのように、ご実家の売却に際して取得費がわからない!ということもあります。

そのような場合には、譲渡収入金額の5%とみなされます。

 

また、譲渡にかかった費用に関しては、以下の項目が該当します。

・仲介手数料
・登記費用
・印紙税
・立退料
・建物の取壊し費用や建物の損失額
・測量に必要となった費用
・買主変更のため支払った違約金
・借地権を売る場合の名義書換料
・資産の維持や管理のためにかかった費用など

 

ポイント!

城之内様のケース(遠方にある空き家を売買する場合)には、特別な控除が適用されます!

これは、少子高齢化や過疎化による空き家問題を解消しようとする政府の試みでもあります。

なお、空き家問題とは、空き家が放置されることによる倒壊などの危険管理、景観を乱す恐れ、悪臭異臭など環境被害の恐れ、犯罪の温床となる恐れなどを指します。

<空き家を売ったときの3,000万円の特別控除の適用条件>

・相続した空き家を取り壊す、もしくは耐震リフォーム後に売却する場合

・旧耐震法の1981年5月31日までに建築された戸建て住宅

・相続の開始の直前において被相続人以外に居住をしていた人がいなかった

・相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売る

・売却代金が1億円以下

・平成28年4月1日から令和5年12月31日までの間に売却すること

 

条件は厳しいですが、3,000万円の控除によって譲渡所得が0円になる可能性も非常に高いため、ぜひとも有効活用したい特例といえます。

なお、適用を受けるためには各必要書類を添付した上で確定申告が必要となること、延長の可能性はありますが、令和5年12月31日までの適用であることには注意しましょう。

 

 

ちなみに、特例が適用されない場合の税率は、所有期間によって3パターンに分かれています。

① 短期譲渡所得 所有期間が5年以下・・・39.63%

② 長期譲渡所得 所有期間が5年超~10年以下・・・20.315%

③ 長期譲渡所得 10年超・・・金額により14.21%もしくは20.315%

このような棲み分けがなされている理由の1つとしては、不動産の転売によって得た譲渡所得と、マイホームとして住んでいた物件を住み替える目的で得た譲渡所得とを区別することにあります。

 

ただし、先述した空き家に関する3,000万円の特別控除と同様に、マイホームを売却した場合にも3,000万円の特別控除が認められる特例措置があります。

 

 

今回、城之内様は空き家に関する3,000万円の特別控除が無事に適用され、ご実家を円滑に売却できたと喜ばれておりました。

生まれ育ったご実家を手放すということにためらいがあるのは誰もが同じことですが、管理ができずに朽ちていくご実家を見るのもつらいということでしたので、特別控除のあるこの時期の売却は城之内様にとっては最善の選択だったといえるでしょう。

 

 

なお、不動産の売却などを検討される場合には、我々税理士事務所の出番でもありますが、不動産会社からの適切なアドバイスも必要不可欠です。

相続に強い不動産売却の会社に仲介を依頼するというのも、円滑な売却のためには重要といえると感じました。

 

本日はここまでといたしましょう。