不動産を相続するときの流れとは?

こんにちは!

こうのとりです。

 

緊急事態宣言が延長となりましたが、ほんとにコロナによって世界が混沌としている気がします・・・。

税理士事務所としては、5月ごろまでが繁忙期なのですが、今年はちょっと違った忙しさですね。

資金繰りですとか助成金のお話が多く、繁忙期はまだまだ続きそうです。

ここは皆の力を合わせて、乗り切っていきたいですね!

 

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【桜の木はすっかり新緑となりました】

 

さて、今回ご紹介する案件のお客様は寺岡様(仮称:38才)です。

寺岡様は奥様のお父様の遺産相続(特に不動産)に関して、どのような進め方をして良いかわからず、まずは専門家のアドバイスをということで来所されました。

たしかに、ひとえに相続とはいえども、被相続人がお亡くなりになった後の流れを時系列で理解しておくのは重要なことです。その大きな理由な1つとしては、遺産相続に関わる申請について、それぞれ期限が決められているからです。

 

<被相続人の臨終より7日以内>

・葬儀社に相談

→各種相談、火葬場の予約などを代行してくれます。病院から葬儀社の紹介を受けることもあるでしょう。また、終活の一環で、生前に葬儀社を決めている場合もあるため、後述する遺言書の有無や財産の有無も含め、日頃のコミュニケーションが重要といえるでしょう。

 

・死亡診断書を病院に記載してもらう

→コピーを何部か取っておくと、様々な手続きの際に便利です。

 

・死亡届を死亡地か本籍地、または届出人の所在地の市区町村役場に提出

→同時に火葬許可申請書を提出することで、火葬(埋葬)許可証が発行されます。なお、死亡診断書と死亡届は同じ用紙であることが多いようです。また、火葬許可申請書に火葬場所を記載することになるので、葬儀社などに事前確認をしておきましょう。

 

<被相続人の臨終より10日~14日以内>

・年金関係の手続き

→年金受給停止、年金受給権者死亡届の提出など、説明は割愛

 

・保険関係の手続き

→国民健康保険証の返却、介護保険の資格喪失届など、説明は割愛

 

・住民票関係の手続き

→住民票の抹消届、住民票の除票の申請、世帯主の変更届など、説明は割愛

 

<被相続人の臨終後なるべく早め

期限はないものの、相続放棄および限定承認の手続きは相続発生から3ヶ月以内という非常に短い期間であるため、遺産に関わる以下4つの項目は、葬儀終了後、速やかに行う必要があります。

 

・遺言書の有無の確認および検認

→公正証書遺言以外の遺言書については、家庭裁判所の検認が必要です。中身が気になるかもしれませんが勝手に開封しないように注意しましょう。

もし、家の中に遺言書が見つからない場合でも、被相続人が公正証書遺言を残していれば、公証役場の遺言検索システムで遺言書の存在を確認することができます。

 

・相続人の調査

→被相続人の戸籍謄本などを取り寄せ、法定相続人を確定させていく作業ですが、この作業が案外、骨の折れる作業であり、被相続人の死亡時の戸籍謄本から、戸籍を遡って取得していくことになります。転籍や婚姻など、様々な事情で戸籍は変遷していくため、集めていくと最終的には複数枚の戸籍に及ぶこともあります。

この作業の結果で血縁者が確定すると同時に、法定相続人も確定します。

 

・財産の調査

→生前あらかじめ財産が整理されていればよいのですが、突然の死去だった場合などはそれぞれを調査していかなければなりません。

不動産関係で財産となるのは、土地や建物の現物以外に、借地権や借家権が挙げられます。不動産関係以外の財産としては、預貯金、生命保険、株式(有価証券)、ゴルフ会員件、貴金属、自動車などが該当します。

財産調査の手がかりは郵送物や納税書類等ですが、煩雑になることも多いため、これらの調査を専門家へ代行依頼することも可能です。

 

・遺産分割協議

→法定相続人と財産が揃ったら、遺産分割協議を行うことになります。

基本的には法定相続人全員が顔を突き合わせて話し合うことで、相続人全員の合意形成が必須です。

相続人全員の合意形成がとれれば、合意の証明として遺産分割協議書を作成することになります。この遺産分割協議書は、被相続人の各種名義変更や預金引き出しの際に重要となります。

 

<被相続人の臨終後3ヶ月以内>

・相続放棄または限定承認の申述

→相続の手続きをタイトにしているのが、相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内を期限としている、相続放棄または限定承認の申述です。

相続放棄は借金などのマイナスの遺産が多い場合に遺産を放棄をする方法で、限定承認はプラスの遺産とマイナスの遺産のどちらが多いかわからない場合に利用し、結果として財産がプラスになった部分のみ引き継ぐ方法です。

ここで重要なのが、相続放棄は相続人一人一人が単独で行える申述である一方で、限定承認は相続人全員の共同で申述しなくてはならない点です。

さらに、期限を過ぎれば単純承認をしたと見なされるので、マイナスの遺産が多い場合でもその遺産を相続していく必要が出てきてしまいます。

このような事態を避けるためにも、遺言書、相続人、財産の調査および遺産分割協議については、速やかに行うべきなのです。

ちなみに、特段の事情があれば、相続放棄または限定承認の申述の延長が認められることもあります。どうしても進捗が悪い場合には家庭裁判所へ相談しましょう。

 

<遺産分割協議終了後、相続財産が確定したら速やかに>

・相続財産の名義変更

→相続財産の中に不動産が含まれる場合には、その不動産の名義変更をしておくほうが無難です。名義変更は義務ではありませんが、二次相続などが起こった場合に揉め事にならないよう、あらかじめ自身の名義に変更しておく べきといえるでしょう。

 

<被相続人の臨終後4ヶ月以内>

・被相続人の所得税の確定申告(準確定申告)

→被相続人は1年の途中で臨終を迎えることになるでしょうから、その時点までの被相続人の確定申告は、相続人が代わって 行います。

この、準確定申告についても、相続人全員で行う必要があります。もし、個別で行った場合には、他の相続人に申告内容を通知しなければならないのです。

 

<被相続人の臨終後10ヶ月以内>

・相続税の申告

 →相続財産が多額であり、控除分を超えてしまう場合には、相続税を申告しなければなりません。こちらも被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内と期限が明確に決められており、万が一期限に間に合わなければ、延滞税や無申告加算税などの追徴課税が科されることになるため注意が必要です。

 

<その他>

 ・公共料金の名義変更、解約

→電気、ガス、水道、インターネット、携帯電話などが挙げられますが、これらも早めに行ったほうが良いでしょう。

 

・各請求関連

→葬祭費、埋葬費、高額医療費、生命保険金などの請求はもれなく行いましょう。

 

 以上が相続における一連の流れです。

 やることがほんとにたくさんありますね。

ご相談者の寺岡様は、被相続人が存命のうちに相談し、なるべく整理をしておくとのことでしたが、やはり終活は大事なんだなと実感いたしました。

 

本日はここまでといたしましょう。