遺産分割!相続する不動産の価値はどうやって決めるの?

こんにちは!

こうのとりです。

  

ゴールデンウィークは7~8割の自粛率だったそうですね!

日本人ってこういうところ、すごいですよね!

罰則も無いのに、みんな家にいるんだもんな~!

もともとソーシャルディスタンスを大事にする民族だし、このままコロナが終息すればいいんですけどね。

そしたら、自粛した分、苦しかった観光地や飲食店にお金が循環すると思います!

今はみんなで辛抱ですね。

 

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【間近で見ることがなかったスカイツリー、でっかいです!】

 

さて、今回ご紹介する案件のお客様は椎名様(仮称:62才)です。

椎名様は先日お父様が亡くなられ(お母様はすでに他界)、お父様の遺産を妹と弟の3人で分けることになったそうです。

しかし、残された遺産はご実家の不動産のみでした。

そこで、この不動産を売却して、お金を3等分しようという話に一度は決まったのですが、しばらくしてから妹さんが「思い出の残る実家を残したい!」ということになり、実家を継ぐ代わりに、その他2人に相続相当分の金銭を支払うことで合意しました。

 

椎名様のようなケースは、比較的良くある話なのですが、今回椎名様がご来所された理由は、相続相当分の金銭はどのようにして決めれば良いのか?というご相談だったのです。

 

ちなみに、遺産分割において、不動産の分割方法はいくつかの種類に分けることができます。

まずは、不動産を売却してから売却代金を分割する換価分割、次に、実際に不動産の現物を3等分する現物分割、そして、椎名様のような、特定の相続人が不動産を相続する代わりに金銭を支払う代償分割です。

 

そして、代償分割を行う場合には、不動産の価値を評価することになりますが、この評価の種類は、相続税申告評価額、固定資産税評価額、公示価格、不動産鑑定士による評価額、実勢価格など多岐にわたるものです。

 

1、相続税申告評価額

相続税路線価ともいいますが、相続税を算出するために全国共通で設定された道路ごとの評価額です。毎年評価が見直されているのでタイムリーな価格を参考にできますが、その価格は実勢価格(実際に取引が行われた場合の評価額)の80%程度の金額とされます。土地のみの価格です。

 

2、固定資産税評価額 および 固定資産税路線価

固定資産税路線価は、市町村が固定資産税を課税する際に基準となる道路ごとの評価額です。3年ごとにしか評価が見直されないことには注意すべきでしょう。その価格は実勢価格の70%程度の金額とされます。路線価については土地のみの価格です。

一方、毎年課税されている固定資産税評価額については、この固定資産税路線価を元に決められているもので、土地のみではなく建物についても評価額の参照が可能です。こちらも実勢価格の70%程度の金額とされています。

 

3、公示価格

公示価格とは、国土交通省によって定められた、土地の評価額です。不動産鑑定士が関与し、その鑑定結果をもとに評価されています。毎年見直しが行われて、例年3月下旬頃に公表されるものです。

不動産鑑定士が関わっているだけあり、実勢価格により近い価格ではありますが、土地のみの価格しか確認できません。実勢価格の80~90%程度の金額とされています。

 

4、不動産鑑定士による評価額

個別に不動産鑑定士に依頼をして得られた評価額については、信頼性が高く、遺産分割調停などにおいても利用されるものです。それだけ信頼度が高いとはいえども、鑑定を依頼する場合には鑑定費用がかかることがネックとなります。親族同士が不動産の評価額で紛糾しない限りは、利用されにくいといえるでしょう。

 

5、実勢価格

実際に取引が行われた場合の価格である実勢価格を知るためには、不動産会社の査定を受けるという方法がポピュラーです。市場で取引されている類似物件や建物の外観などを踏まえながら総合的に値付けされるものですが、依頼をする不動産会社によって価格が上下するというデメリットがあります。

 

これだけ多くの参考価格があると、どれを選択したら良いかわからないという方も多いかもしれませんが、ここには大きなポイントがあります。

実は、合意形成さえ取れればどの価格を参考にしても良いのです。

つまり、代償分割を行う場合に、代金を受け取る相続人が納得しさえすれば、どの価格を参考にして代償すべき金額を決めても良いのです。

2つの評価額を組み合わせて参考にしても良いですし、不動産会社に査定を依頼して見積もられた金額だけを参考にしても良いということです。

 

遺産分割協議というと、何やらお堅いイメージになりますが、あくまでも「話し合い」に過ぎません。話し合いで合意さえできれば、相続分をどのように配分しようが、問題無いのです。

法定相続分や遺留分は、法に則った場合にはこのように分割しなさいという決まりであり、租税の計算などに使われる形式的なものです。

もっとも、話し合いで簡単に決まることではないので、法的な根拠を元に遺産分割協議が行われるという実態はあります。

どんなに仲が良い肉親であっても、遺産相続で骨肉の争いに発展する可能性は十分にありますので、そんな争いに発展しないためにも、法に則りながら、平等に分割するのが良いともいえますね。

 

さて、椎名様は結局、知り合いの不動産会社に依頼をして不動産査定をしてもらい、その金額を元に代償分割を行ったということです。

とはいえども椎名様も弟様も、実は実家を売却することに抵抗が無かったわけではなく、「実家を妹が引き継いでくれるなら」ということで、結果としてわずかな現金を代償として引き受けるだけで、合意したそうです。

そして、今では1年に一度は、思い出のあるご実家に集まるようになったそうですよ!

 

 

本日はここまでといたしましょう。