相続登記って必要あるんですか?備えあれば憂いなし 

こんにちは!

こうのとりです。

 

在宅ワークが増えると、日本の四季を感じられる機会も少なくなってる気がします。

通勤はストレスでしかないと思っていたけど、風景を見たり、あれこれ考える時間にはなっていたのかなと思います。ただし、あくまでも満員電車でなければの話ですが(汗)

 

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【私が一番好きな長野の戸隠神社。自然の偉大さを体感できます。また行きたいです。】

 

さて、今回ご紹介する案件のお客様は旭様(仮称:35才)です。

旭様は遺産分割協議にて、土地を相続することになりましたが、相続に際して名義を自身に変更しておくべきか否か、周囲の方々に聞いてみても意見が割れているということで、ご相談に参られました。

 

不動産を所有している方が亡くなられた際に、相続人が不動産を相続し、名義変更をする手続きについては、相続登記と呼ばれています。

相続登記については、ズバリ、義務ではありません。罰則もありません。

しかし、将来的に問題の火種となる可能性があるため、本来あるべき名義にしておいたほうが良いといえるでしょう。備えあれば憂いなしということです。

 

もし、相続登記をしない場合、相続人全員が不動産を共有しているとみなされてしまいます。相続人同士で話し合いが済んでいたとしても、万が一その相続人の誰かが他界してしまえば、相続の権利は他界した相続人の妻や子供に移ります。

つまり、相続登記をしていなかったことで、2次相続3次相続の際に紛糾する可能性や、いざ登記をしようと思った際に手間がかかることになるのです。

また、相続人全員が不動産を共有している状態であるとみなされることで、相続人の中に債務を払いきれない方がいた場合には、差し押さえの対象となる可能性があることにも気を付けなければなりません。

もちろん、相続した不動産を処分する場合に、自身が所有しているという登記が必要であることはいうまでもありません。

 

このように、相続登記をしないことで様々なリスクが発生、かつ混在する可能性があります。そのため、相続登記については義務化も検討されているようですね。

 

さて、実際に相続登記が必要となるケースは、一通りではなく、その内容によって、相続登記をすべき人が変わります。

主なケースとしては、1、遺言による遺産相続を起因とするもの2、相続人同士の遺産分割協議による遺産相続を起因とするもの3、遺産分割協議が長引いていることを起因とするものに分けることができます。

遺言については最優先されるため、遺留分を侵害していない限り、指定された相続人が相続登記をすることになります。

遺産分割協議を経た場合には、遺産分割協議で不動産の相続が決まった相続人が相続登記をすることになります。複数人が相続をするのであれば共有不動産として相続登記をします。

問題は遺産分割協議が長引いている場合ですが、先に述べたとおり、この状態では相続人全員の共有不動産とみなされるため、やむを得ず相続登記をする場合にも、ひとまず共有不動産として相続登記をすることになります。

 

続いて、相続登記の方法ですが、相続する不動産を管轄している法務局で、登記申請書を提出することで行います。一般的には司法書士や弁護士などに代理で依頼をすることが多いでしょう。

 

相続登記の費用としては、士業への報酬と登記に必要な登録免許税(登記する不動産の固定資産評価額の0.4%)、各書類を取り寄せるための実費と合わせて、10万円~20万円程度の費用となりますが、不動産の価値や士業へ依頼する際の代理の範囲(書類作成のみか、その他代理行為をお願いするか)によって変動することには注意が必要です。

 

相続登記に必要な書類としては、登記申請書、被相続人の一連の戸籍謄本、被相続人の住民票の除票、相続人全員の戸籍謄本・抄本、不動産を取得する相続人の住民票の写し、相続する不動産の固定資産税評価証明書、(代理申請の場合)相続人の委任状、相続関係説明図・・・と多岐にわたる上、遺産分割協議などが行われていた場合にはそれ以外にも必要となる書類が出てきます。

この書類集めの煩雑さが相続登記について敬遠される原因ともなっていますが、お金はかかるものの士業への代理も検討しながら、コツコツと着実に進めていくべきでしょう。

 

旭様は相続登記をしないことによるデメリットの多さに驚かれ、早速相続登記の手続きを始めることにしたようです。

少子高齢化が進むことで、相続した遠方の実家をどう処分するかなど、相続については登記の煩雑さはもとより、今後多くの課題があると感じた次第です。

 

本日は、ここまでといたしましょう。