生産緑地制度の期限を2022年に控えて、首都圏の地価はどうなるの?

こんにちは!

こうのとりです。

 

今年は7月下旬に雨が多い時期があって、それ以降は35℃ぐらいが平均的に続く猛暑となっていますね。

今年も海へ行けなかったなぁというのが残念です・・・。

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※写真はイメージです

 

さて、前回は、生産緑地制度についてまとめていきましたが、今回はさらに踏み込んでいきます。生産緑地制度では、一定期間(30年間)について、農地を維持した場合のは税優遇を受けられるという内容でしたが、それでは、2022年に一定期間を迎えた生産緑地はどうなるのでしょうか?

そもそも30年間にわたって農地を維持するというのも簡単ではありません。そのため、農業従事者が死亡したり、農業に従事することが困難になった場合、市町村に農地買取の申し出ができことになっています。

しかし、30年経過した場合には、そのまま生産緑地として維持することができるほかに、他の用途に活用することや売却を行うことができるのです。

 

ということは、地価が上がっているという背景(少なくともバブル崩壊後の1992年よりは上昇している)や、高齢となり土地を管理できない方もいらっしゃるとすれば、2022年に指定期間を終えた生産緑地がこぞって売りに出される可能性もあるのです。

一方で、人口減で空き家問題が深刻化しているうえ、都心のマンションですら空室が増えているという状況下ですが、テレワークの普及などで都心離れが進んでいるところで生産緑地が売り出されるようになると、供給過多となる可能性も十分に考えられるということです。

 

そして、供給過多になれば当然、不動産価格は下落していくことになるので、仮に不動産を相続してから売却しようとしている方々にとっては、遺産が思わぬ足かせになる可能性もあります。もっとも、都心部の土地であれば、買い手がつかないということはほとんどあり得ないとは思うのですが・・・。

 

最後に、資産のなかでも特筆すべき、中古マンションと新築マンションの価格高騰についても触れておきたいと思います。そもそも首都圏の地価高騰は、マンション建設による需要が大半でしたので、今後のマンション需要がその地価に影響を与えると考えられるためです。

さて、首都圏の新築マンションは、1990年頃のバブル崩壊前には平均6,000万円ほどの価格でしたが、バブル崩壊を経て平均4,000万円ほどに落ち込んだものの、その後は回復をして、現在バブル期と同等の平均約6,000万円となっています。

同じく首都圏の中古マンションについても、1990年頃のバブル崩壊前には平均3,500万円ほどの価格でしたが、バブル崩壊を経て平均2,000万円ほどに落ち込んだものの、新築マンションと同じく、その後は回復をして、現在バブル期と同等の平均約3,500万円となっています。

 

つまり、現在のマンション価格は、バブル崩壊前ほどの価格にまで高騰しているということです。ここまで価格が高騰している状況で、供給過多になりつつあるところに、生産緑地制度によって土地供給が増えていけばどうなるでしょうか。

考えられるストーリーは2つで、単純に地価が下がるストーリー、もう1つは都心部にアクセスがしやすい駅近くのマンション需要などがテレワークの促進などで削がれ、都心部よりも少し離れた地域の一戸建て需要が増え、生産緑地制度を終えて売買される土地が高騰するというストーリーです。

もちろん、不動産の価格動向を予測することは難しいのですが、不動産相続時の評価額にも影響を及ぼすため、価格変動が上下しやすい場所に相続不動産がある場合には、相続後に管理ができるかも含め、被相続人と十分に相談しておくべきかと思います。

 

本日は、ここまでといたしましょう。