成人年齢の改正と相続への影響

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こんにちは、こうのとりです。

 

令和4年4月、民法が改正されました。成人の年齢が20歳から18歳に引き下げられ、相続や贈与にも影響があるので書いていきたいと思いました。


このブログを書いている時点では、「18歳、19歳の相続人がいるんだけど…」という事例はお目にかかっていませんが、代表的なものをいくつかご紹介します。

 

相続税の未成年者控除

これまでは相続が開始された日に20歳未満である相続人について、相続税額が控除されていました。

 

成人年齢が18歳になったことにより、18歳と19歳の相続人には控除がなくなりますのでご注意を。

 

18歳、19歳の相続人がいる場合には、これまでよりも相続税の金額が高くなる可能性がありますので、気をつけましょう。 相続税の計算は、複雑なケースも少なくありません。税理士に相談することをおすすめします。

 

遺産分割協議への参加

相続人に未成年者がいる場合には、一人では遺産分割協議には参加できず、 親権者が法定代理人となるケースがあります。しかし親権者も相続人である場合には利益が相反してしまいます。

 

そのような場合には、家庭裁判所へ特別代理人の選任を申し立てる必要があります。 過去に19歳の相続人がいたご家族がありますが、特別代理人の申し立てが面倒なため、20歳になるまで待ったことがありました。

 

今回の改正によって、遺産分割協議の時点で18歳以上であれば自ら遺産分割協議に参加することができるようになりました。
なお「相続したくない」と思った場合には、18歳以上であれば相続放棄する権利もあります。

 

遺言の証人になれる

未成年者は遺言の証人にはなれません。今回成人年齢が引き下げられたことによって、18歳以上であれば、遺言の証人になることができるようになりました。

 

余談ですが、遺言書の作成そのものは15歳から可能ですので、法改正による影響はありません。

 

 

最後に

自分が18歳の頃を思い出したのですが、遺言や相続にはほとんど関心がありませんでした。


自分には関係がなく、もし関係があるとしてもずっと先の話だと思っていたのです。

 

高校生の頃はもちろん、大学の法学部に進学してからも、自分で積極的に学ぶのではなく民法で勉強するから…という理由で学んだ記憶があります。

 

今では18歳・19歳の人を含めて20代の人にも遺言や相続にもっと関心を持ってほしいと考えています。 法律事務所で働く者として自分に出来ることはあるだろうか、そんなこともこれから模索していきたいです。本日もお読みいただきありがとうございました。