都心部の地価高騰が顕著!相続前に知っておきたいエリア別不動産価格動向

こんにちは!

こうのとりです!

 

さて、オリンピック目前ですが、まだまだ混沌としております・・・。

イギリスやアメリカでは感染者数は許容する方向に舵を切ってますが、日本は果たして・・・

 

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※写真はイメージです 

 

さて、被相続人が元気なうちに遺産の整理をすることで、後の親族間の紛争防止となることは間違いありませんが、いざ不動産を相続することになった相続人の立場としては、被相続人の遺産を本当に全て相続すべきなのか、それとも放棄すべきなのか考えなければなりません。特に遠方にあって管理のために定期的に通わなけばならない不動産などは、一度相続をすること簡単に手放すこともできず、非常に厄介です。

そこで今回と次回については、不動産を相続すべきかいなかの1つの判断材料として、最新の不動産価格動向をまとめてみたいと思います。

 

まず、国土交通省が公開している不動産価格指数(令和3年1月現在)を見ていきましょう。全体の不動産価格は、2010年の平均価格を100とした場合に117.1となりました。

日本の不動産価格は、1980年代こ高度経済成長の後のバブル崩壊によって、一気に下落しましたが、その後ゆっくりと回復した後に、2008年のリーマンショックで再度下落しています。しかしながら、リーマンショックが終わっていったんの底値をつけた2010年から約10年間で17%近く増えているといることですから、不動産価格は株価と同様に、順調に上がり続けているといってよいでしょう。

逆にいえば、バブル崩壊や、リーマンショックなどの世界的な金融不安が起こった場合には不動産価格は暴落する可能性があるでしょう。

 

続いて、各地域別に不動産価格(土地)の推移を確認していくと、首都圏では面白い傾向があります。神奈川、埼玉、千葉では価格がほぼ横ばいなのに対して、東京だけ不動産指数が115と、約15%も伸びているのです。

これは、次回まとめていく不動産種別の価格上昇率にもかかわってくることですが、東京都内などの都心ではマンション需要が著しく、マンションを建てるための土地がそれに伴って高騰しているという仕組みです。

 

しかし、都心部のマンション需要を考えれば、大阪や愛知を中心とした地域も、と新聞を中心に不動産価格が高騰しているかといえばそういうわけではありません。大阪、京都に関してはほぼ横ばい、兵庫県に関しては5%ほど下落しています。

一方、愛知県は105%と都心部としての需要がみられているものの、岐阜県や三重県は10%下落しており、都心部をそれ以外の地域で大きな差がみられるという特徴的な結果となりました。

 

このように、全国的な不動産価格平均の上昇は、主に東京を中心とする都心部の地価高騰が原因となっていることは明確です。しかしながら、コロナ禍による行動制限やテレワークの普及から、都心部ではなく地方へ居住地を求める方が多くなっていることも注目すべき内容です。

オリンピック終了後の選手村の販売、そして、いずれまとめておこうと思っていますが、生産緑地による不動産供給問題などで、不動産価格はいったんは頭打ちになるのではないでしょうか。

 

本日はここまでといたします。

兄弟10人、この不動産は誰のもの?所有者不明土地の問題解決的アプローチ

こんにちは!

こうのとりです!

 

五輪が近づいてきましたが、折角の自国開催なのに今回は素直に楽しめそうにないですね・・・。どうせなら、お祭り騒ぎで応援したかったな~と、個人的には感じています。

 

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※写真はイメージです

 

さて、前回まで2回にわたって所有者不明土地問題解消に向けた予防的アプローチをご紹介してきましたが、今回は問題解決的アプローチについて、まとめておきたいと思います。

 

所有者不明の土地があったとしても、絶対的権利である所有権を侵害するほどの法改正は難しいことは間違いなく、問題解決的アプローチとしては、やや緩やかな内容となっています。

具体的には「共有物管理・共有物変更の手続合理化」「所有者不明土地管理制度 および 管理不全土地・建物管理制度」、そして「隣地関係の法整備」が挙げられます。

 

まず「共有物管理・共有物変更の手続合理化」ですが、これは現在でも問題として抱えている方々が多いケースへのアプローチになりそうです。

簡単に言えば「私たち兄弟は仲がよいし、実家は兄弟みんなで相続をして実家を管理しましょう!」とか、遺産分割協議などでしっかり話し合う時間がなく「とりあえずみんなの名義で相続しよう!」などという、いわゆる共有不動産が引き起こす問題の解決策です。

共有不動産という相続の方法は望ましくありません。かなりの確率で揉めることになりますし、その資産が子供に引き継がれ、さらにその子供に引き継がれと、代を重ねるうちに、1つの土地を大人数が共有することにもなりかねないのです。

共有不動産といえども、一人ひとりの持ち分は立派な所有権ですが、なるべく持ち分の状態を解消しやすいような緩和策を講じるとともに、不明共有者については公告や通知で反応が無ければ「頭数から除く」ことができるようにしました。

 

続いては「所有者不明土地管理制度 および 管理不全土地・建物管理制度」ですが、こちらは、利害関係人の請求によって、裁判所が認めれば所有者不明土地の管理人が選任され、土地の管理を命ずる処分をおこなえる制度(所有者不明土地管理制度)と、不動産の所有者が不明であるかどうかにかかわらず、管理が不適当であることで他人の権利や法律上保護される利益が侵害され、又は侵害されるおそれがある場合に、同じく裁判所によって管理人が選任され、土地の管理を命ずる処分をおこなえる制度(管理不全土地・建物管理制度)です。

主たる目的は、危険な空き家問題に対する対応を柔軟にするものかなと感じます。つまり、空き家が老朽化し、倒壊しそうという場合などに、管理不全であるとして裁判所に管理を願い出ることができるということですね。老朽化した家屋は耐震性も弱くなっていることがあり、非常に危険なのです。

 

そして最後は「隣地関係の法整備」ですが、たとえば隣地に土地に大きな木が育っていて、その枝が自分の家の境界線を越えてどんどんと伸びてきた場合はどうすべきでしょうか?

実は、境界線を越えて伸びてきた枝を勝手に切ることができません。もちろん、お隣さんが住んでいれば「ちょっと〇〇さん、枝が伸びてきてますよ!」と言って切ってもらえばいいのですが、誰も住んでおらず、所有者も不明な隣地からの枝であった場合、誰にも依頼することができないことになります。そこで、所有者不明の土地である場合などには、隣地に立ち入って枝を切ってもいいでしょうという、緩和的な法改正になります。

 

少子高齢化によって、地方を中心に所有者不明土地問題はこれからもますます増えていくと考えられていましたが、所有権に踏み込むギリギリのラインで様々な緩和措置を講じ、少しでも所有者不明土地を減らそうという動きが今後加速してくことになると思います。

 

本日はここまでといたしましょう。

「相続登記の義務化」以外の予防的アプローチと相続放棄

こんにちは!

こうのとりです!

 

そうえいば、コロナ禍で業務量が格段に減った航空会社の添乗員などが、他業種のコールセンター業務などに出向するというニュースがありましたよね。

なりふり構わずに会社を守ろうとする従業員の皆様には頭が下がる一方で、SARSやMARSなどの経験を踏まえて、パンデミック下でも生き抜く方法を企業は検討してこなかったのかな?という疑問や、それをしてしまうと、非正規雇用者の働き口が単純に減少することになるのでは?という懸念も出てきます。

立場が変われば正義も変わると思う今日この頃です。

 

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※画像はイメージです

 

さて、前回は所有者移転登記が任意であるというルールに、少子高齢化という社会問題が加わることで、地方の空き家問題が所有者不明のまま残されるというケースをご説明しましたが、もう1つの良くあるケースも記載しておきます。それは、財産相続時に遺産を特定できないケースです。

 

例えば、配偶者に先立たれ、地方の実家に一人暮らしをしていた父親が、突発的に他界してしまったとします。その後の遺産分割については、まずは父親の資産の確認と、相続人を特定することから始まるわけですが、相続人に関しては戸籍謄本をたどることで特定しやすいものの、資産については生前から相続人が把握しているとは限りません。むしろ「お父さん、遺産ってどこにどれだけあるの?」と聞くほうが、デリカシーに欠けると思われる方も多いわけです。

突発的な他界の場合、実家で通帳や金庫などを確認しながら1つ1つ探していくことになりますが、ここで、登記されていない不動産が存在すれば、その存在に気付く術がありません

 

もちろん、遺産分割時に見落とされたとしても、固定資産税の納付通知が実家に届いたり、その土地を購入したい人が名義を調べて交渉しに来るなどでで、知りえなかった遺産に気付くこともあります。

しかし、その土地が山林であった場合など、土地の評価額が安いために非課税対象だったり、そもそも需要が少ない土地である場合にはその遺産に気付くタイミングが無く、長い年月が過ぎていることも多くあります。結果的に、その遺産は、誰にも気づかれることのない所有者不明土地となってしまうわけです。

 

さて、主たる予防的アプローチとして「相続登記の義務化」を取り上げましたが、それ以外にも「登記名義人の死亡事実の公示」「名称・住所変更登記の申請義務化」「相続等により取得をした土地所有権の国庫帰属制度」など、多くの予防的アプローチが講じられる予定です。

「登記名義人の死亡事実の公示」でより多くの方に知らしめ、「名称・住所変更登記の申請義務化」で正しい登記情報を残す、そして「相続等により取得をした土地所有権の国庫帰属制度」で不要な土地は無理に管理をしたり固定資産税を払う必要もなく、国に返すという内容です。

 

注意したいのは「国庫帰属制度」の承認要件が厳しく安易に所有権を手放すことができない点です。たとえば、土地の上に建物がある場合や、通路その他の他人による使用が予定される土地として政令で定めるものが含まれる土地など、様々な制約があります。

本来は、不要な遺産を放棄したい場合には相続放棄の手段を検討しますが、この手段は財産の全部を放棄しなければなりません。つまり、自分の都合の良い資産だけ相続するということは許されないのです。

万が一、遺産分割協議や相続が終わってから新しい資産が見つかり、それを手放したい場合には、売却か寄付しかありません。売却の需要がないような土地であれば寄付を検討することになりますが、寄付だとしても譲渡税がかかることには注意が必要です。

 

本日はここまでといたしましょう。

次回は、問題解決的アプローチについて、まとめていきます。

忘れられた「ポツンと一軒家」状態の予防的アプローチ「相続登記の義務化」

こんにちは!

こうのとりです!

 

コロナ禍に対応すべく、withコロナ、afterコロナとして、デジタル化が促進されていますが、皆様の企業では進んでいますか?

テレワークが推進されれば、介護や地方の過疎化などの社会問題が解決するのになと感じているのは私だけでしょうか?

 

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※ 画像はイメージです

 

さて、今回から3回にわたって、少子高齢化の弊害として問題が顕在化しつつある所有者不明土地問題解消のための2つの具体的アプローチをまとめていきます。その2つのアプローチとは「予防的アプローチ」と「問題解決的アプローチ」ですが、今回は「予防的アプローチ」についてです。

 

所有者不明土地の予防的アプローチとして特筆すべきは、皆さんも直接関係する可能性が高い「相続登記の申請義務化」です。

コロナ禍の影に隠れて大きなニュースにはなっていませんが、国内では絶対的な権利とされている所有権に踏み込んだ内容である上、これから相続を控える方には相応なインパクトになるため、心構えをしておくべきでしょう。

なお、義務化は2024年以内とされており「土地や建物の相続を知った日から3年以内に登記するよう義務づけ」という内容になっています。

 

 

そもそも、相続登記も含まれる「所有権移転登記」は義務ではありません。登記は、あくまでも第三者に所有権を主張するための1つのツールであり、任意の行為です。

 しかしながら、不動産の売買契約時には「所有権移転登記」が合わせて行われるのがごく一般的です。これは、登記をしていないと、二重売買がなされた場合に所有権を主張できないケースや、将来的に売却する際に売ることができなくなるなどのリスクがある他、住宅ローンなどを組む場合には必須条件(金融機関は、不動産を担保に融資するため)とされていることがほとんどであるという理由です。

 

一方で、不動産の相続時も所有権が移転するものの、ほとんどが親から子、もしくは親族や身内への引継ぎであり、すでに居住している実家などの家屋を、そのまま占有し続けるケースが多かったために(20年占有による時効取得というルールがある)、第3者に対して所有権を主張する必要性がありませんでした。その上、登記には費用も手間もかかるということで敬遠されてきたといえます。

 

要するに、これまでのルールで特段問題はなかったのですが、少子高齢化という社会問題によってが問題が顕在化することになりました。たとえば、「兄弟のうち長男が実家を引き継ぐ」という古い慣習的な考え方も過去のものとなり、生活基盤が都心部にあれば容易に移住できないことや、地方の不動産を処分しても二束三文であること、あるいは、生家を残しておきたいという思いなどから、住人不在で空き家のまま、実家などを相続される方が増えてきたといえるのです。

しかし、仮にこのような状況の方が一人っ子で未婚、相続登記をしないまま突発的に亡くなられらどうなるでしょう?亡くなられた本人名義の財産は、選定された相続財産管財人のもとで国庫に帰属(つまり国の所有)となりますが、たとえば地方に残された実家が「ポツンと一軒家」状態であったとすれば、その家は誰かの名義で、誰かが所有しているのだろうという考えのもと、長らく放置されることになるのです。

 

本日はここまでといたしましょう。

長くなりましたので、話は次回へ持ち越します。

2024年以内に相続登記義務化!遠方に遺産がある方は注意!

こんにちは!

こうのとりです!

自制の日々が続きますが、頑張っていきましょう!

 

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※ 画像はイメージです

 

2021年4月、「所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法案」と「相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律」が可決成立しました(4月28日公布)。

コロナウィルスや五輪に関するニュースに隠れて、あまり取り上げられてはいませんが、その内容を見てみると、少子高齢化や地方過疎化という社会問題に対峙するための抜本的な法改正および法成立となっており、絶対的な権利である所有権にもかなり踏み込んだ内容となっています。

法律の施行日は、公布後3年以内と決められていますので、2024年までには施行され、義務化が進むことになります。

 

そもそも、日本において土地の所有権が認められるようになったのは、1873年の地租改正時にさかのぼります。明治政府は私的所有権を認めたうえで、土地に対して租税を納めさせるという政策を取りました。

当時は「地券」というもので土地の所有権を証明していましたが、これが後の「登記制度」に変遷していきます。

 

一方、土地の私的所有権は1896年に民法で明文化されました。このときに参考としたのがドイツの民法なのですが「土地の所有権は絶対的、排他的」であるというその内容が引き継がれ、日本においても所有権が絶対的、排他的な権利として、今もなお続いていることになります。

 

この所有権の強さが仇となり、少子高齢化によって地方の空き家問題が深刻になっていても、所有者不明の土地だからといって、国や地方自治体さえも処分できずに放置せざるを得ないという状況だったのです。

 

さらに、相続登記が任意であるという制度上の問題も足かせとなっていました。例えば、地方の実家を相続した方が登記をしないまま都内で生活をしていたとして、万が一事故死や、高齢化して孤独死などをした場合はどうでしょうか。地方の実家はそのまま放置され、所有者不明のまま誰も手をつけることなく残ることになります。

 

もちろん、所有者がただ不明なだけであれば問題ありません。しかしながら、その場所に線路を敷きたい鉄道事業者がいたらどうでしょう?また、空き家が放置されて、その中で鳥獣被害や虫害が起きたらどうでしょう?立地にあった廃材が吹き飛ばされて通行人に直撃したらどうでしょう?

 

このように、所有者不明土地が引き起こす問題は何かと厄介なのですが、現時点で日本全体の面積の約2割程度がすでに所有者不明の土地として存在しています。

 

この、所有者不明土地問題を対処するために、長年指摘されていたものの実現がしなかった「相続登記の義務化」によって所有者不明問題の入口を塞ぐ予防的アプローチをとった上で、「所有者不明土地の利用円滑化」によって所有者不明土地であっても利活用ができように出口を広げる問題解決的アプローチが講じられることになったのです。

 

本日はここまでにしておきましょう。

次回より、各アプローチの具体的な方策について、より詳しく確認していきたいと思います。 

子どもなしの夫婦が遺言書を残こすべき理由とは(2)

こんにちは!

こうのとりです。

 

今回は前回の続きで、子どもなしの夫婦が遺言書を残こすべき理由などについて見ていきたいと思います。

 

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配偶者と親に財産を相続させたいときの遺言書の書き方

次に、配偶者と親に財産を相続させたいときの遺言書の書き方について確認します。
以下は記載例のひとつです。

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これはあくまでも記載例なので、相続財産の状況に合わせて遺言書を作成してください。

配偶者に残す財産以外は遺産分割協議をしてほしい場合の遺言書の書き方

次に、配偶者に残す財産以外は遺産分割協議をしてほしい場合の遺言書の書き方について見てみましょう。

先述の通り、まず

配偶者に残したい遺産を特定して記載します。
そして残りの財産につき、遺産分割協議をしてほしい旨を記載します。

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なお、遺言で配偶者に残すべき旨を指定されなかった財産につき、法定相続分通りに相続することもできます。

子どもがいない夫婦が遺言書を作成するときの注意点

子どもがいない夫婦が遺言書を作成するときの注意点は3つあります。
一つ目は夫婦それぞれに遺言を書くこと、2つ目はできるかぎり公正証書遺言を用いること、3つ目は遺言執行者を定めておくことです。

 

夫婦それぞれに遺言を作成する

まず、1つ目の注意点を確認します。

 

夫婦共同遺言の禁止

子どもがいない夫婦が遺言書を作成するときに、まず注意しなければならないことがあります。
それは、夫婦で1通の遺言書を作成しても、その遺言は無効になってしまうということです。

遺言は遺言者一人一人の意思に従って書かれなければなりません。
夫婦で同じ紙に書かれると、一方の本意ではないのに、一方の顔色をうかがって書かなければならない場合もあるためです。
そこで民法により、遺言は2人以上の者が1通の紙に書くことができないと定められていて、「夫婦共同遺言の禁止」といわれています。

 

一方だけの遺言書では足りない

夫婦のどちらかのみが遺言書を書かないと、遺言書を書かなかった方が先に亡くなった場合、先述したようなトラブルが起きるかもしれません。

子どもがいない夫婦は、夫婦各1通ずつ遺言書を作成してください。

 

遺言執行者を定める

子どもがいない夫婦が遺言書を作成するときは、遺言執行者を定めましょう。
遺言執行者を定めない遺言書も無効ではありませんが、信頼できる人に遺言の執行を頼んでおかないと、相続手続きが円滑に進まない可能性があります。

 

遺言執行者の立場と任務

遺言執行者は相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の権限を与えられています。
遺言執行者が定められていれば、相続人の一人が遺言を履行したり、遺言執行を妨げたりすることはできません。

遺言執行者は、遺贈、遺産分割方法の指定、株式や不動産の名義変更手続きなどを行うことができます。
また、遺言による認知、廃除の手続きについては遺言執行者しかできません。

 

その他

遺言執行者についてのその他のルールも確認しておきましょう。

 

遺言執行者についてのルール

第三者への任務の依頼 原則として自己の責任で第三者に遺言執行させることができる
遺言執行者が複数いる場合 原則として、遺言執行者の過半数で決する
ただし、保存行為は単独で可
遺言執行者の報酬の発生 ・遺言に定められているとき
・家庭裁判所が定めたとき

公正証書遺言を利用する

最後に、遺言書の種類と形式につき、どの遺言書が一番安心か見ておきましょう。

 

遺言書の種類と信用度

先述したとおり、一般的に利用される遺言書には自筆証書遺言、秘密証書遺言、公正証書遺言がありますが、それぞれの特徴を見ておきましょう。
特に、証拠力や改ざんの恐れにつき確認します。

 

自筆証書遺言、秘密証書遺言、公正証書遺言の比較

  証拠力 改ざんの恐れ
自筆証書遺言 低い 高い
秘密証書遺言 低い 高い
公正証書遺言 高い 低い


公正証書遺言は、公証人が作成する遺言書です。
したがって公正証書遺言は公文書なので、自筆証書遺言、秘密証書遺言よりも高い証拠力を有します。

 

また、公正証書遺言の原本は公証役場に保管されるため、改ざんの恐れが低い遺言書です。
これに対して自筆証書遺言や秘密証書遺言は、遺言者や知人や親族が保管しているので、改ざんされる恐れがあります。

 

また、自筆証書遺言や秘密証書遺言の場合は、発見することすら難しいかもしれません。
公正証書遺言は、生前に夫婦で公正証書遺言を作成しておけば、遺言者には謄本が渡されます。
公証役場に確認することもでき、発見されずに終わってしまうこともないでしょう。

 

なお、公正証書遺言は改ざんの恐れがないことから、遺言者の死後、家庭裁判所の検認を受ける必要はありません。
この点も公正証書遺言は子どもがいない夫婦が作成する遺言書としておすすめの理由です。

 

遺言書の検認の要否

自筆証書遺言 検認が必要
秘密証書遺言 検認が必要
公正証書遺言 検認は不要

 

遺言書に書ける事項

民法では、遺言書に記載できる事項を定めています。
民法で定められていない事項を記載することはできますが、法的な効力はありません。
法定記載事項以外の事項を「付言事項」と言います。

 

自分亡き後の家族への思いなど、付言事事項として書く方が増えていますが、法定記載事項との差がわかりつらいのではないでしょうか?
何が法定記載事項で付言事項なのか、公正証書遺言を利用すれば公証人に確認できるので安心です。

 

なお、遺言書の法定記載事項の中で重要な事項は、相続分の指定、遺産分割方法の指定と分割の禁止、遺贈、廃除の手続きなどです。

 

 

公正証書遺言作成の注意点

公正証書遺言は2人以上の証人と、公証人の手数料などの費用がかかります。

 

公正証書遺言のポイント

 

証人 証人2人が必要
(推定相続人や受遺者、これらの配偶者および直系血族は証人になれない)
費用 公証人の手数料(財産額による)がかかる


公正証書遺言の証人には欠格事由があるので、公証役場に依頼する前に、弁護士に相談して弁護士などに証人になってもらうとよいでしょう。

 

公正証書遺言作成の費用は、他の遺言書よりもかかります。
しかし、公正証書遺言の信頼性や改ざんの恐れがないというメリットを考えれば、費用をかけても損はないでしょう。

 

ここまでで説明した公正証書遺言と異なり、自筆証書遺言は遺言者が、その内容、日付および氏名を自書し、これに押印しなければ効力がありません。
財産目録を除き、パソコンやワープロで作成することはできず、作成し辛いのが自筆証書遺言です。

 

また、秘密証書遺言は、遺言書への遺言者の署名・押印、証書に用いた印による遺言書の封印が必要です。
このように、自筆証書遺言と秘密証書遺言は何か要件を満たさない可能性が高いので、できるかぎり公正証書遺言作成をおすすめします。

子どもなしの夫婦が遺言書を残こすべき理由とは(1)

こんにちは!

こうのとりです。

 

子どもなしの夫婦の一方が亡くなった場合、夫や妻の財産はすべて自分が相続するというイメージを持っている方もいるかもしれません。

 

しかし、民法では子ども以外にも被相続人(亡くなった方)の一定の親族は、法定相続人となると定めています。

 

つまり、子どもがいなくても、妻や夫が残した相続財産を他の相続人と共同で相続するかもしれないということです。

 

子どもなしの夫婦の一方が亡くなり、遺言書が残されていなければ、トラブルの可能性が増えます。

 

そこで、2回の記事に分けて子どもなしの夫婦が遺言書を残すべき理由や、遺言書の書き方や注意点などを解説します。
 

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子どもなしの夫婦が遺言書をのこすべき理由

子どもなしの夫婦が遺言書を残すべき理由はなんでしょうか?
それは、法定相続制度と遺留分、親族の付き合いなどが関係します。

 

遺産分割がまとまらない

子どもがいない夫婦が遺言を残さなかったらどのようなトラブルがあるのか、見ていきましょう。

 

家も預金も配偶だけのものにはならない

子どもなしの夫婦の一方が亡くなった場合、被相続人の父母や兄弟姉妹と遺産を共同で相続します。
相続財産は法定相続人の「共有財産」であり、勝手に処分できないということです。

 

相続財産が預金の場合、他の相続人の同意がなければ、解約して使うことはできません。
相続財産が土地や建物の場合、たとえ被相続人の配偶者が住んでいたとしても、被相続人の父母や兄弟姉妹と共有になってしまいます。

 

不動産の場合は、他の相続人に賃料を要求されないともかぎりません。
被相続人の妻が、住み慣れた家をもらいたいと思っても、他の相続人が納得しなければ、売却して出ていかなければなりません。

 

譲ってくれるとは限らない

普段、関係性が良い義父母や義理の兄弟姉妹なら、遺産分割協議の話し合いをしやすいかもしれません。
しかし親族間の関係性が希薄だったり、元からあまり良い関係ではなかったりすると、遺産分割の話し合いをしづらいでしょう。

 

それだけでなく、義父母や義理の兄弟姉妹が法定相続分通りの権利を主張したら、受け入れざるをえません。
相続財産が預貯金や現金、株式、不動産など多岐に渡れば、法定相続分に合わせて分けることも容易です。
でも、前述の通り、相続財産が不動産のみのケースでは、住み慣れた家を手放さなければならないかもしれません。

 

「そんなことありえない」と思われるかもしれませんが、次に説明するように、子どもがいない場合の法定相続人と法定相続分が定められているためです。
法定相続人と法定相続分と違う割合で夫や妻に残したい場合、遺言書を書かなければなりません。

 

親や兄弟も法定相続人

まず理解していただきたいのは、子どもがいない夫婦の法定相続人は、配偶者と親、配偶者と兄弟姉妹だということです。

 

もちろん、夫や妻の両親も兄弟姉妹もいなければ、配偶者のみが相続人です。
しかし、兄弟姉妹の代襲相続などを見過ごしてしまうと自分だけが法定相続人と勘違いしてしまいます。
まず、子どもがいない夫婦の法定相続人などを確認します。

 

配偶者と親が相続人のケース

子どもなしの夫婦のどちらかが亡くなった場合、まず、被相続人の配偶者と直系尊属が法定相続人となります。

 

配偶者と直系尊属が法定相続人となる場合、それぞれの法定相続分は、配偶者が3分の2、直系尊属が3分の1です。

父母が健在の場合は、父母が各自6分の1の割合で相続します。

 

常に相続人 配偶者(内縁を含まない)
第1順位
第2順位 直系尊属(祖父母は代襲相続権なし)
第3順位 兄弟姉妹

 

 

被相続人の父母と同居していなくても、被相続人の財産を共同で相続することに変わりはありません。
相続財産を換価したり分けたかったりする場合、相続人である被相続人の配偶者と父母が遺産分割協議をしなければなりません。

 

なお、被相続人に養子、婚外子、離婚した配偶者の子がいる場合は「子どもがいる」と同じケースなので、注意しましょう。
また、被相続人の子が被相続人より前に他界していても、その子(被相続人の孫)などが代襲相続します。

 

なお、相続放棄した人の子や孫は代襲相続できませんが、相続欠格や廃除に当たる子については、代襲相続が認められています

 

兄弟姉妹と配偶者が相続人のケース

次に、兄弟姉妹と配偶者が相続人となるケースを確認します。
子どもなしの夫婦のどちらかが亡くなった場合、被相続人の直系尊属がいなければ、兄弟姉妹が共同で相続人となります。

 

この場合は配偶者が4分の3、兄弟姉妹が4分の1です。
ただし、兄弟姉妹が複数いる場合、被相続人と父母の一方が異なる兄弟姉妹の法定相続分は、被相続人と父母の双方を同じくする兄弟姉妹の2分の1となります。

 

遺産分割協議をする場合、被相続人の配偶者と兄弟姉妹全員でおこなわなければなりません。
なお、被相続人の兄弟姉妹が先に他界している場合、甥・姪が代襲相続人となります。
甥や姪の子は代襲相続できません。

 

被相続人の兄弟姉妹と日頃から交流していれば、遺産分割協議もしやすいでしょう。
しかし、数回しか会ったこともないような関係の場合、被相続人の配偶者と兄弟姉妹の遺産分割協議は難航するケースもあります。

そのようなことにならないためにも、子どもがいない夫婦は、互いに遺言書を残すべきなのです。

 

配偶者に全ての財産を相続させたいときの遺言書の書き方

ではいよいよ、実際に遺言書をどう書いたら良いか見ていきましょう。

遺言書のルール

遺言書は、形式面と内容面の双方を守らなければ有効となりません。

配偶者に全ての財産を相続させる遺言書の内容

極端な例を言えば、「遺言者は、遺言者の全財産を妻に相続させる」趣旨を記載すれば足りますが、次のように記載します。

一般的に遺言書は、次に示すように、「〇条」「1」「2」など、項目に分けて記載します。
ただし、法律で内容の書き方が決まっているわけではないので、遺言の内容が法律に即し、形式を満たしていれば問題ありません。

 

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このように、相続財産を指定するときは、正確に記載しなければなりません。
特に不動産は記載方法に注意しましょう。
不動産は住所で表さず、地番や家屋番号で記載します。

 

不動産の記載は、できるかぎり最新の登記事項証明書を取り寄せて、そのとおりに記載してください。
株式、預貯金についてもできるかぎり細かく特定してください。

 

また、遺言日の妻は1人しかいませんが、妻の名前と生年月日を入れておきましょう。

なお、後述するように、自筆証書遺言または秘密証書遺言を利用する場合、遺言の内容だけでなく、形式面に注意しなければなりません。

 

遺言書の形式

通常、一般的に利用する遺言書は、自筆証書遺言、秘密証書遺言、公正証書遺言の3種類です。
それぞれに自筆すべきかどうか、押印は必要かなど細かな形式が定められています。
形式を守らない遺言は無効です。

自筆証書遺言と秘密証書遺言は自分で作成しなければならず、形式面で整っていない遺言書も多いので注意しましょう。

 

遺留分に注

子どもがいない夫婦が配偶者に全財産を相続させたいときは、遺留分に注意しましょう。

直系尊属の遺留分

遺留分とは配偶者、子、直系尊属が法定相続人になる場合に認められた最低限の取り分とイメージして下さい。
配偶者と直系尊属が相続人の場合、遺留分は全体で2分の1です。
遺留分を害する遺言も有効ですが、遺留分権利者は遺留分侵害額請求できます。
相続時にトラブルになるような遺言はできるかぎり避けましょう。

 

たとえば相続財産が6000万円で、被相続人の配偶者と父が法定相続人の場合、遺留分全体が3000万円です。
そして3000万円に父の法定相続分である3分の1を乗じて個別の遺留分を計算すると、父の遺留分は1000万円となります。

 

仮に「遺産の全てを配偶者に残す」旨の遺言があったとしたら、父の遺留分1000万円を侵害しています。
したがって父は、遺留分侵害額請求をすることができます。

 

兄弟姉妹の遺留分

被相続人の兄弟姉妹が法定相続人の場合、兄弟姉妹に遺留分は認められません。
兄弟姉妹と配偶者が相続人になるケースでは、全財産を配偶者に相続させる旨の遺言を作成しても、遺留分を心配する必要はありません。

 

 

本日は、ここまでといたしましょう。

 

 

代襲相続・養子縁組・遺言がある場合の遺産相続順位はどうなる?

こんにちは!

こうのとりです。

 

相続は前回までみてきた基本ルールに必ずしも当てはまるような家族構成ばかりではありません。
この相続順位の確定を少し難しくさせるような場合も見ていきましょう。

 

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代襲相続の場合

故人に子どもと孫がいて、相続発生時には子どもはすでに亡くなっている場合です。
この場合のことを代襲相続といいます。

この場合は、孫が子どもに代わって第1順位の相続人となります。
この代襲相続は、兄弟姉妹の子どもにも発生する権利です。

 

さらに、故人に子ども、孫、ひ孫もいて、相続発生時には子どもとひ孫がすでに亡くなっている場合には、ひ孫が孫と子どもの代わりに相続人となります。
これを再代襲相続といいます。

 

養子縁組の場合

被相続人となるものが生存中に養子縁組をした場合は、実際に相続が発生した場合、その養子は被相続人の子として第1順位となります。
このように、相続においては、実子と養子の間で法定相続分に差はなく、これが適用される養子の人数にも限りはありません。

また、養子縁組には、普通養子縁組と特別養子縁組とが存在します。
同じ養子縁組とはいっても、この二つには目的や要件、手続きにおいても違いがあります。
この二つの制度の簡単な解説とともに、相続における特徴を解説します。

 

普通養子縁組の場合

こちらが一般的に、養子縁組といわれるもののことです。
普通養子縁組をすることによって、養親との間に法律上の親子関係が成立することになります。

 

一方で、実親との間の親子関係が解消されるわけではありませんので、この場合は親が2組存在することになります。
したがって、子は実親と養親の両方に対して、相続権を持つことになります。

 

特別養子縁組の場合

普通養子縁組とは違い、実親との親子関係が解消され、養親のみが法律上の親となる養子縁組が特別養子縁組です。

 

この制度を利用する場合には、実親との親子関係がなくなってしまうという大きな影響があるため、当事者の希望のみにより簡単に認められるものではありません。

 

実の親子間に問題がある場合などに利用される制度です。
したがって、子は養親に対してのみ、相続権を持つことになります。

 

その他の考えられるケース

代襲相続や養子縁組以外にも、様々な場合が考えられます。

 

ここには全て挙げられないほどのパターンの数がありますが、その中の数パターンをここで紹介します。

 

胎児がいる場合

民法上では、相続が発生した時点でまだ生まれていない胎児は、すでに生まれたものとして考えられます。


この意味は、例えばこういうことです。
相続発生時に、配偶者と母、故人の母親が存在する場合には、第1順位の相続人は、配偶者と胎児となります。


この場合に、母は第2順位となりますので、相続人とはなりません。

 

しかし、胎児が死産となってしまった場合には、第1順位となるはずであった胎児(子)がいませんので、故人の母が第1順位となって相続人となります。

 

このように胎児である時点で実際に相続や遺産分割協議をしてしまうと、死産の場合に一度確定した相続をやり直す必要が出てきてしまい、混乱が生じます。

 

したがって、胎児が生まれてきてから相続や遺産分割協議を行うことが一般的な手続きの流れになります。

 

嫡出子と非嫡出子

嫡出子とは、法律上の夫婦の間に生まれた子、非嫡出子とは、法律上の夫婦でない相手との間に生まれた子のことをいいます。

現在は、嫡出子と非嫡出子の相続における扱いは全く同じとなります。相続順位や相続の割合が全く同じということです。

 

相続人がいない場合

身内が一人もいなく、相続人が誰もいない場合も考えられます。

 

この場合には、故人の財産は全て国庫に帰属することと民法で規定されています。
遺言の制度があるため、相続人は必ずしも家族・親族である必要はありません。

 

身内が一人もいない場合には、遺言書で相続人を指定してもよいでしょう。

 

遺言がある場合の遺産相続順位はどうなる?

法定相続人以外のものが相続するのは、遺言によって法定相続人以外のものの相続が書かれている場合です。


この遺言によって財産を受け取るものを受遺者といいます。

 

正しい形式で書かれた遺言は全てに優先されますので、遺言の内容に従うこととなります。
したがって、遺言がある場合の相続順位は、遺言に従います。

 

ただし、遺留分という制度があり、遺言で残された相続内容にかかわらず、法定相続人などの一定の範囲の家族・親族には、最低限度の割合の遺産を受け取る権利が残されます。

 

この遺留分は請求をしなければ消滅してしまう権利になりますので、遺言の内容に不服のある遺留分侵害請求権を持つ相続人は、この権利を行使する必要があります。

 

この万能とも思える遺言書ではありますが、民法上で遺言書によってできる行為が定められています。

 

ここでは、その遺言書によってできる行為を簡単にみていきます。

 

  • 認知
  • 財産処分
  • 後見人、後見監督人の指定
  • 相続人の排除または排除の取り消し
  • 相続分の指定または指定の委託
  • 遺産分割方法の指定または指定の委託
  • 遺産分割の禁止
  • 相続人相互の担保責任の指定
  • 遺言執行者の指定または指定の委託
  • 遺留分侵害請求方法の指定

 

 

相続順位やそのケースごとの違いについて理解を深めていただくことはできたでしょうか?

それぞれの家族構成によっても大きく異なりますし、また、遺言の内容によっては、予想もしていなかったような相続となる場合もあります。

 

家族構成による相続順位のパターンはここで例を上げ切れないほど存在します。

相続において、少しでも疑問があるような場合は、早めに弁護士などの専門家に相談をすることも一つの手です。


多少の費用はかかりますが、後々もめる要因を作らないためにも知識のあるプロに依頼をし、それぞれの権利をしっかりと調査、確定させることが大切です。

今回の内容がご自身で相続手続をする場合ももちろん、専門家のサポートが必要な事例かどうかの判断をする場合にもお役に立てば幸いです。

あまり頻繁に活用する知識ではありませんが、いざというときにこの知識を活用していただけるはずです。

 

 

本日は、ここまでといたしましょう。

遺産相続の順位の基本的なルールとは?

こんにちは!

こうのとりです。

 

相続の話というのは、いくら親しい間柄の家族や親族であってもなかなか話しにくい話題であるかもしれません。
しかし、相続について話し合うというのは大切なことです。

 

というのも、相続というのは、財産を引き継ぐ権利だけがあるのではなく、相続税の支払いや不動産の名義変更など、義務や関連した様々な手続きをする必要があるからです。
放置しておけば、次世代、またその先の世代において、財産の管理に苦労することになってしまいます。
相続はこのような点から考えても、大切な意味があります。

 

かといって、身内が亡くなった場合に何でもかんでも首を突っ込むわけにもいきません。
自分が相続に関わることになるのかを判断する必要があります。

今回は、その判断に必要となる相続順位のルールを解説します。

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 相続順位の基本的なルールとは

相続順位とは、民法によって定められた法定相続人となる順位のことをいいます。
法定相続人とは、民法で定められている遺産を引き継ぐ権利を持った人のことです。
この相続順位は、家族構成によって様々なケースがあります。

相続において、なぜこの法定相続人と相続順位が大切になるかというと、それぞれについて相続の割合が異なる定めがあるためです。
家族の構成によって法定相続人となるものがそれぞれ違います。
ここではまず、基本的なルールからみていきましょう。

 

  • 配偶者は常に相続人となる
  • 配偶者以外の相続人は順位があり、順位の先のものが相続人となる権利を得る
  • 同順位間での相続割合は等しい

 

言葉だけではイメージがつきにくいと思いますので、図解にして示します。

 

配偶者は常に相続人

被相続人(故人)の配偶者は、必ず相続人となります。

これは民法の定めにより決められています。したがって、配偶者には順位はつきません。
この配偶者というのは、法律上の妻や夫のことですので、役所に届出を済ませた婚姻関係でなくてはなりません。

 

内縁の妻や夫では、法律上の婚姻関係といえないので、法律上は相続人と認められませんので、注意が必要です。
内縁の妻や夫に相続をさせようとする場合には、遺言にその旨を残す必要があります。
遺言については、後ほど詳しく解説します。

 

配偶者以外の相続人の順位と割合

法定相続人には順位があり、順位が上のものから順に相続人となる権利を持っており、同順位のものだけが相続人となります。
それぞれの順位はこちらの通りです。

 

  • 第1順位 子供や孫などの直系卑属
  • 第2順位 父母や祖父母などの直系尊属
  • 第3順位 兄弟姉妹

 

ここで気をつけておきたいことは、子の妻や子の夫については相続権がありません。
どうしてもこれらのものに相続をさせたい場合は、養子縁組をして、親子関係を作ることが必要です。

 

また、被相続人の配偶者とともに各順位ごとの法定相続人が相続をした場合の法定相続分はこちらの通りです。

 

  • 第1順位 配偶者:直系卑属=1/2:1/2
  • 第2順位 配偶者:直系尊属=2/3:1/3
  • 第3順位 配偶者:兄弟姉妹=3/4:1/4

 

同一順位間での相続割合

同順位のものは全員が相続人となり、その同一順位間での相続割合は等しくなります。
同一順位間では、年齢などの他の条件は関係ありません。

 

 

本日は、ここまでといたしましょう。